株式会社コ・ラボの企業サイトブログ「自社企画」へようこそ。このブログでは私達のオリジナルブランド「NICELY」で販売するMilkomedaシリーズの誕生を投稿しております。特許登録を終えた後のお話です。特許が認められたからすぐに完成とはいかないものです。未完成Milkomedaブラはどうなるのでしょうか?
ついに完成したサンプルは、社内の女性スタッフに試着してもらいました。
フィッティングを終えた彼女は、鏡を見ながら小さく呟きました。
「……これ、いいかもです」
その時の、ほんの一瞬の目の輝きが、今も忘れられません。
何日も、何日もかけて検証を重ね、
あらゆる角度から微調整を繰り返してきた先に、ようやく届いた光でした。
そして私は、ここで大きな賭けに出ることにしました。
それは
「あえて、ワイヤーを太く、固く、強くする」
ブラジャーにおいて、これはご法度とも言える禁じ手です。
違和感や痛みを軽減したいなら、むしろ避けるべき選択です。
けれど、それでも私は思いました。
「この構造が本当に“違和感のない快適さ”を実現しているなら、固くても、大丈夫なはずだ」
そう信じて、国内のワイヤー製作企業に再度お願いをして、
従来よりも太く・固く・強い専用ワイヤーを特別に製作していただきました。
そして、そのワイヤーを用いたテスト。
結果は、完璧でした。
どこにも矛盾は現れませんでした。
前中心の構造が、しっかりと支え、柔らかく受け止めてくれる。
Milkomedaブラジャーには太く 固く 強いワイヤーを採用しています。
きっと私達の特許技術はワイヤーブラジャーに違和感を持った経験のある方の元で輝いてくれるでしょう。
唯一、マタニティ期(授乳期を含む)には適応が難しいかもしれません。
けれど、それを差し引いても、この構造はワイヤーブラの“痛み”という根本的な問題を、
確かに解決したと言えるものでした。
以降、社内の女性スタッフは、ずっとこのMilkomedaブラを愛用しています。
私の挑戦が、誰かの“当たり前の快適さ”として、日常の中に息づきはじめた瞬間でした。
さて、社内の女性スタッフ向けに設計されたサイズでは、Milkomedaブラは確かに機能しました。
前中心の幅を10mmに絞った分、カップ間の乳間距離も綿密に調整されており、全体として無理のない構造になっていました。
けれど、これはあくまで“ひとつのサイズ”の話です。
ブラジャーの設計は、そんなに甘くありません。
ひとつのサイズで理想的な結果が出たからといって、他のサイズへ単純に転用できるものではないのです。
たとえば、前中心を10mmに絞ったまま、バストサイズが変わればどうなるか?
乳間距離のバランスは崩れ、ワイヤーの曲線も合わなくなります。
支点と作用点の関係性も変化し、補整力が不自然に働く可能性もある。
2023年、特許権が認められた構造
それはたしかに「Milkomedaブラの核」となるものでした。
でも、その特許には他サイズへの設計方法までは含まれていなかったのです。
ここから先は、まったく別の挑戦でした。
「すべてのサイズに、この構造をどう最適化していくか?」
つまり、Milkomedaブラジャーにおける
ふたつ目の構造的思想の出番です。
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