株式会社コ・ラボの企業サイトブログ「自社企画」へようこそ。私達のオリジナルブランド「NICELY」で販売するMilkomedaシリーズの誕生を書いておりますが、ここにきてやっと本編スタートです。
他業種から下着業界に入り、沢山の現場を通して鍛え上げられ、型紙設計士として、また下請けの一企業として、沢山の経験を積ませて頂きました。
その様子はこの第4章以前に詰まっています。まだお読みで無い方は是非ともご一読ください。
そちらの方がリアルが伝わるのではないでしょうか。
Milkomedaシリーズの誕生のお話です。
ブラジャーの話から始めましょう。
私は昔の話をよく思い出していました。
ブラジャーが抱えている問題、それは新人時代に姉から伝え聞いたという範囲を超えて、現場でも取り上げられる課題でした。
ワイヤーは痛い 辛い キツイ なんか変
多くのブランドがその問題を受け、様々なアイデアにトライしており、中でもノンワイヤーの開発を積極的に取り組んでいます。
私自身も数えきれないほどのノンワイヤーブラの設計をしました。
そして、ワイヤーがあるタイプのブラジャーにも何度も何度も挑戦しました。
そして未だワイヤーブラの問題は解決をみていない。
結局出来上がった製品に誰かが首をひねっているのです。
それは企画室かもしれないし、
販売店舗かもしれないし、
ユーザー自身かもしれません。
昔、お世話になった方からの教え「周りを変えようとするな、自分が変われ」
この言葉を額面通りそのまま都合よく受け取るならば、ワイヤーブラの改新は周りを変えてしまう事に繋がるかも知れません。
しかし既に私は設計士として職人の立場にいます。
ならば私が変わるとは、周りが何かを生み出す事を待つのではなく、新しいブラジャーを生み出す事で「私が変わる」を体現できると再定義する事にしました。
私のブラジャーの型紙に対する研究は通常業務の合間を縫って行いましたが、アイデアは机に向かっている時だけでなく、ふとした瞬間に降りてきて、そして知らぬ間に消えていきます。
きっと気を抜いているのでしょうね
私の場合は、動画視聴や風呂に入っている時によく起きる気がします。
Milkomeda Galaxy(ミルコメダ銀河)という言葉を知ったのも本当にたまたまyoutubeで見ていた宇宙に関する動画の中に出てきたものです。
「へぇ、二つのものが重なるねぇー…」
「独立しているモノが重なると…」
「離れているモノが近づくと…」
いつもは霞の様に消えるアイデアが何故か鮮明に頭の中に残り「もしかしたら」この可能性を何とか高めるため、とにかくメモを取り、絵を描きました。

その後も確実性を上げるため、参考になりそうな情報はとりあえず目を通す地道な作業を続け、ある程度の方向性を固める事が出来ました。
その一部を記します。
ブラジャーのワイヤーが痛くなるポイントとしては、前中心位置が顕著です。
痛くなる具体的な仕組みは 前中心の幅が20mmあるから、そしてその20mmの幅の中にはワイヤーという金属製の骨材が入っている。
この20mmという大きな幅に対して左右の胸を綺麗に見せるために寄せていくと 突き刺さる感覚が出ます。
問題の特定はこれで完了。

これをどうするかです。
私の研究は人体の仕組みから「筋骨」の領域に達しました。
ほぉ痛くなっている箇所は胸骨体の箇所で左右の大胸筋が交錯する箇所か…
しかしここに支えがなければ体を美しく見せる補整機能は弱まっていく…
胸骨体の太さと筋繊維の走り具合から、せめてこの前中心箇所の違和感を取り除くために、前中心の幅を10mm以下にできれば違和感は取り除けるはずだ。
そこから私は前中心巾を細くする設計に取り掛かりました。
そうして研究を進める内に私の構想はついに特許権を取得できるものだと確信を持つようになりました。
数ある特許文献を読み
まだ誰も思いついていない、
権利化されていない、
そして私が知りうる限りこれはまだ誰も世の中に送り出していない構造をもったブラジャーだと思うようになったのです。
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