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第3章最終話 それでも動いた 手

株式会社コ・ラボの企業サイトブログ「店長の雑想」へようこそ。第3章やっと最終話です。オリジナルブランド「NICELY」で販売するMilkomedaシリーズの誕生を書くつもりで始めたこのブログ投稿。前段長くなりましたが次の4章からMilkomedaシリーズの開発の様子をお届けできる はずです。


コロナウイルス蔓延 幸いにして関係者の目立った感染はありませんでしたが、その影響は少しずつ、確実に私たちの周囲を侵食していきました。

注文は急激に減り、納品の予定は延期され、展示会も次々に中止されていったのです。

量産予定だった商品は、先送りどころか“白紙”に戻され、
生地が入らない、
糸が届かない、
誰も予定が立てられない。
それでも、固定費は変わらず毎月出ていく。

生地工場も、縫製所も、商社も、誰もが「じっと待つ」状態が続き、
そして、その“じっと”が、いつ終わるのか誰にもわからない恐怖の中にいました。

そんな中で、新しい提案なんて、聞いてもらえるはずがなく、
「今はそれどころじゃない」
「一旦、全部止めよう」
「状況が落ち着いてからにしよう」

そうしている内に、コロナの影響は確実に出はじめ、ついに会社の残金が資本金を割るラインまで到達する可能性が示唆されました。
それはもうすでに来期に迫っており、ウイルスの2次災害がもう目の前まで来ていました。

私はこの頃から体の異変に悩まされていました。
後で分かった事ですが「線維筋痛症」というものです。
何かに集中して考え複雑な所まで行きつくと、体に針が刺さったような感覚、ナイフで切られるような感覚が続き、それは数分の内に無くなるのですが、一日に何回も何十回も襲ってくるようになり、ひどいときは身動きが取れない程になり脂汗が止まらない日々を過ごしたのです。
この症状に対する治療は2025年まで取り掛かりませんでした。
正確には取り掛かれなかったのです。
辛い思い出です。

社長にはなりました。
誰もが憧れる職業でしょ?

大きな机と豪華な椅子に座って、
「おおう、そうか」なんていいながらハンコをついて、
昼過ぎには趣味に興じる。

そんな姿は夢のまた夢。

私に見えている現実はどこまでも暗く、冷たい世界でした。
唯一の希望は、「誰かの役に立つ」という教えを捨てなかった事でしょう。

私は少しずつ溜めていた型紙の設計データと自分で作った角度と寸法の自動計算エクセルと格闘を始めていました。 

「いけるかもしれない」 「これは特許に出来るかもしれない」 コロナ禍にあって少し時間の余裕が出来た私はある企画を立て、そこに集中していきました。

第4へ続く

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