自社企画

第2章4話 忙殺

株式会社コ・ラボの企業サイトブログ 「自社企画」へようこそ。ここでは株式会社コ・ラボのオリジナルブランド「NICELY」で扱うMilkomedaシリーズの誕生ストーリーを投稿しています。私の記憶を頼りに書いております。どうぞよろしく。


そしてなんとか案件に食らいついていく生活がスタートしました。

姉の手も借りながらなんとか 一つずつ、一つずつ。

目の前の案件をこなすうちに気付いた事があります。 

時間的な余裕がねーぜ(無い)!

何故かを説明しましょう。

下着はアイデア出しの段階から実際にその商品が店頭に並ぶまでに1年から10カ月程かかります。

そして設計士はそのどこ部分にも関わります。

アイデア出しの部分では「実際に縫い上げられるか?」「効率と問題点の洗い出し」

もし、ここをすり抜ければ最終的に困るのは私達。

そして1stサンプルの設計と縫製仕様書の作成。

サンプルを工場で縫製して検証、フィッティング。

修正と仕様変更など。

そして本生産の頃には実際に設計責任者として現場に入ります。

売り場に並んだあとはユーザーからのお声が届くケースがあります、問題の回収。とざっとここまで受け持つ訳で、これが同時に何品番もあります。

それだけではありません。各季節別に他の案件も動いていますから。 

ある一日でも、この企画がスタートしそうです。

これは縫えますか?という確認をする。

同時に先に決まっていた1stサンプルの設計を進めながら。

また別の修正を行い、仕様書と矛盾の内容に仕上げて。

別の企画で届いたサンプルがしっかり上がっているかを確認して、フィッティングに回して。

今週末に向けて海外の工場に入る準備を行い。

売り場からのフィードバックを受け取り次回の対応策を考える。 

私はこの無限ループにハマりながら 忙殺されていきます。

いずれ自分の手で問題を解決したブラジャーをつくって…これははるか彼方へすっ飛んでいきました。

ずっと何かに、追い立てられている。

この感覚は、私に新たな気づきをくれました。

目が回るような多忙な日々は──

仕事に対するモチベーションを語る“お偉いさん”の戯言や、
「やりがい」を追い求めるリア充たち。

そして、学生時代のコンプレックスに浸る私自身。

そんな“雑念”を、すべて吹き飛ばしてくれていたのかもしれません。

……いや、

救い出してくれていたのかもしれません。

そうして

何年も、経ちました。

少しずつ、仕事のペースを掴めるようになってきた頃でした。

ある日、会社の電話ではなく

私の携帯電話に、直接依頼の連絡が入りました。

事実上の“指名”です。

もちろん、それは会社として請け負う案件でした。

けれど、どこかで私は感じていました。

「ああ、今の仕事は“自分が獲った”んだ」と。

忙しさに押しつぶされながら、
深い興味もないまま

それでも目の前の案件に、
ひたすら誠実に向き合い続けてきたこと。

そんな私の姿勢を、
ちゃんと見ていてくれる人がいたのです。

少しだけ、自信がつきました。

そして──

運命の日が、やってきます。昔お世話になったノブさんとの再会です

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

PAGE TOP