下着の基礎講座

No.01下着の地図

株式会社コ・ラボの企業サイトブログ「下着の基礎講座」にようこそ。本ブログでは下着・肌着の基礎を学んでいます。

スポーツであれゲームであれ、細かな技術の習得よりも前に全体像を把握しておく事はとても重要です。フィールドの大きさ、使用する道具、ポジションや役割、守るべきルールなど、それらを理解する前に一人前と認められることはないでしょう。逆にその世界や業界の仕組みが理解できていれば、自分がどこにいて何を担っているのか、この先何をするべきなのかを理解し、余裕をもって周りを見渡すことが可能です。下着の基礎知識に取り組むにあたって、まずこの業界全体の領域を認識しましょう。

今回のタイトルを下着の地図と題し、下着の分類をまとめた図をご覧いただきます。下着の世界を知る上で最も重要な内容で、これから幾度となく見る事になるでしょう。それぞれの特徴と機能の観点から種類別に分類しています。

今回は図の左側に記された5つの分類を取り上げて、上から順に解説していきます。予備知識の無い方でも理解しやすいように専門的な言葉は出来るだけ避け、止むを得ず専門用語が出る際には、その都度解説します。

【ファンデーション】

こちらは英語で「基礎・根本」という意味を持っており、建築の基礎、メイクの下地などと同じ単語です。下着を指す場合の正式な名称はファンデーションガーメントとなります。このファンデーションは補整のための下着を指し、主に体型を整える機能を持たせた下着が連なります。体を支えるために人体よりも小さく作り、生地の伸縮性によって肌に密着させるような下着はここに分類されます。

【ランジェリー】

言葉としては一番聞き馴染みのある言葉かもしれません。こちらは英語となりますが、語源は仏語です。装飾性の高い薄地の下着がここに分類されます。洋服の滑りをよくしたり、ファンデーションのラインを洋服にひびきにくくしたり、汗などが直接洋服に付くのを防ぐ目的を持っています。着用感は基本的にゆったりとしており、締め付け感のあるものや肌にぴったりとする下着はランジェリーに含めません。

【ニットインナー】

こちらは主に肌着を指します。季節に合わせた素材を使用して暑さや寒さから身を守り、肌を清潔に保つ目的があります。下着全般の中でもアウターに一番近い位置にあります。夏場のTシャツなどは、インナーとほぼ同じ作りという理解で問題ありません。

【ショーツ】

こちらは最も一般的な下着となります。元々日本に登場した頃はランジェリーを扱う企業が製造を手掛けており、昭和後期までランジェリーに分類されていました。現在ではブラジャーとのセット販売が一般的なのでファンデーションと思われがちですが、ショーツ自体が補整機能を持っていない事と、種類が豊富である事から現在では独立した下着として扱われています。

【ホームウェア】

こちらは最も下着のイメージから離れていますね。リラックスウェア、パーソナルウェア、ナイトウェアとも呼ばれ、室内でくつろぐ時、お休みになる時の衣類としてライフスタイルを豊かにしています。このホームウェアが一般的にイメージされる下着に加わった事によって、業界の守備範囲が大きく広がっています。

【Q&A】

Q.その他業界を表す言葉はありますか?

A.ガイダンスでも少し取り上げましたが、下着業界を指す言葉としては「ボディファッション」「インナーウェア」「アンダーウェア」「インティメイトアパレル」等があります。基本的に同じ意味で使われる言葉ですが、個人、企業によって範囲や定義が異なるケースがあります。

また、ファンデーションとランジェリーに特化する場合「ラン・ファン」もしくは二つの頭文字を取って「F・L(エフエル)」と呼ばれます。この両者はショーツを含みます。

Q.ランジェリーショップにブラジャーが売られているのを見たことがありますが?

A.言葉の定義は解説してきた通りですが、確かにランジェリーという言葉にブラジャーやショーツが含まれるケースはあります。これは、一般に浸透していて認識しやすい言葉を使うという販売戦略によるものです。一歩踏み込んだ話として、専門家はランジェリーとファンデーションは分けて捉えます。一番大きな理由としては、生産工場が受注できる品目が限られているという事です。基本的にファンデーションとランジェリーでは使用するミシンや実施される工程が異なります。ランジェリー専門の工場にファンデーションの製造を依頼するのは無理があります。

Q.生活雑貨やアウターを扱うお店で売られる下着は問題ないのですか?

A.ご心配には及びません。お店の主要アイテムや基本コンセプトが雑貨やアウターであっても、企画製造の部分は専門家が受け持っているケースがほとんどです。逆に、下着に関わる企業が、その他衣類や生活雑貨を扱うケースもあります。これらはそれぞれ海を隔てた別の国ではなく、陸続きだと思っていただければイメージしやすいかもしれません。

さて今回は、下着の分類を学びました。下着の専門家であるならば最初に頭に入れておくべき地図となります。各定義に沿って品目を分類できるようになれば、プロフェッショナルの仲間入りとなります。曖昧な部分も多い下着業界ですが、分類に関してはハッキリと分けられている事を覚えておきたいですね。次回はこの地図をより詳しく見ていきます。各分類に連なる具体的な下着の品目についての知識を付けていきましょう。

今回はここまで 次回に続きます。

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