言ってはいけない下着業界のタブー

自社企画

株式会社コ・ラボの企業サイト「自社企画」にようこそ。本ブログでは私達が企画・設計・開発を進めている製品について投稿しています。

元々、まったく異なる業種から転職という形で下着業界に入った私が、驚いてしまった業界特有の習慣があります。それは、全てのサイズをフィッティング検証していないという事です。

第2回目の投稿でも触れましたが、ブラジャーのサイズは非常に細かく分かれており、販売予定のサイズも当然、多くなります。

例えば、私達が今回、展開させていただく予定のサイズは、下記の通りです。

Aカップ 65、70、75、(80) 4サイズ

Bカップ 65、70、75、(80) 4サイズ

Cカップ 65、70、75、(80) 4サイズ

Dカップ 65、70、75、(80) 4サイズ 計16サイズです。

※各80サイズについては展開から外す可能性があるため()内に表記

この16サイズでの展開で生産に取り掛かる場合、下着業界の習慣をそのまま行うとすると、どの位のサイズをフィッティング検証すると思いますか?

多くの現場でフィッティング検証が行われるのは、なんと 1サイズだけ です。それもほとんどの場合が、C70サイズだけをフィッティングモデルに着用してもらって確認します。次いで、C70サイズともう1サイズを加えた2サイズを検証するパターンもありますが、これまでに多くの現場を体験してきた私の業歴では2サイズ以上のフィッティング検証は行った事がありません。

何故C70サイズなのかというと、フィッティング検証で合格が出たサンプルを広告宣伝用の撮影素材として使用します。撮影時にはフィッティングモデルさんとは違う、撮影モデルさんを採用したりするのですが、その撮影モデルさんの体型もC70サイズの方にお願いするという事になります。また、別角度から切り取ると、モデルを使わず商品単品で撮影する場合に、商品が最も美しく見えるのがC70サイズだとしているという具合です。

つまり、作る側の都合でC70サイズをフィッティング検証しているのであって、C70サイズを検証すれば、その他のサイズもOKであるという保証はどこにもないのです。

例えばC70とは違うサイズの方はこんな体験を多くされています。

例)ブランドAのD70とブランドBのD70は着用感が大きく違う。

この現象を解説すると、C70サイズ以外の寸法や立体構造などの設計については技術者にお任せの状態になっています。この設計技術者が一人ならばどのサイズも同じ着用感である事が可能になりますが、実際にはそうもいきません。多くのメーカー、多くの技術者によって作られる数多くのサイズは、それぞれにバラついていて統一出来ていないという事が起こっているのです。当然私達が提供するサイズも、他のブランドの商品と異なるという事になるでしょう。

では、どちらが優れていると、曖昧さ無しに判断する事は可能でしょうか?

私達は長らく下着の設計に関わってきておりますが、正直な所、断言できないというのが現状です。これが下着業界に転職してきた私が最も驚いた業界特有の習慣です。

1つ、または2つのサイズしかフィッティング検証を行わないという事を共有させいただきました。皆さんはこの事実に対して不信感はないでしょうか?

検証を行っていない事をお伝えする事なく「優れた商品が完成しました」などと、どうして言えるのでしょうか?

この問題には展開サイズ全てでフィッティング検証を行うほか解決の方法はないでしょう。

今後展開される予定である私達の商品は全サイズでフィッティング検証を行い、それぞれに完成度を高めてまいります。

着用にご協力いただける方を募集し、検証にかかる時間と費用など積み重ねていけば莫大なコストを支払う事になります。しかしこれらは本来、必要な事柄なのです。誰かが支払うべきなのであれば、私達が負担しましょう。それは、最終的に商品を購入していただくユーザーの皆様の豊かさにつながると信じています。

この投稿を含め3つのコンセプトをお伝えしてきましたが、結局の所、私達の提案を一言でまとめるなら、こうなるでしょう。

「一度、技術者の作りたいように作らせていただけませんか?」

本ブログの投稿は、私達が開発を進めている商品のフィッティングアドバイザー様へ向けた商品のコンセプト解説を含んでいます。

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