株式会社コ・ラボの企業サイトブログ「自社企画」へようこそ。私達のオリジナルブランド「NICELY」で販売するMilkomedaシリーズの誕生を投稿しています。Milkomedaブラには2つの構造的特徴があります。今回はその二つめの物語です。
長い人類史の中に下着は古くから存在していた事が知られていますが、現代的なブラジャーの設計はアメリカ発とされています。
そして1950年代に日本に到着しました。当時、ワイヤーの入ったものも既に存在していましたが、下着の歴史を紐解くと「アップデートされていない」点にたどり着きました。ここで私は長年抱えていたもう一つの課題を解決するに至ります。
ブラジャーのサイズ表をご覧いただきます。日本工業規格(JIS)で定められているサイズ表です。この範囲で日本女性の9割をカバーできると言われています。

このサイズ表は、アンダーバストとカップサイズの掛け合わせによって構成されています。極一般的なサイズ表記です。たとえば、D70、E75、F80……
といった表記に見慣れている方も多いかもしれません。
しかし
この「掛け合わせ表」こそが、実はブラジャー設計の最大の落とし穴になっているのではないか?
私は、そう考えるようになったのです。
では今度は、私たち設計者が使っているサイズ表をご覧ください。

これは、ブラジャーを設計・生産する際に使われる、ワイヤーサイズごとの管理表です。
縦軸はカップサイズ、横軸はワイヤーの号数です。
それぞれの交点に記されているのが、実際に流通しているブラジャーのサイズ名です。
では、先ほどのワイヤーサイズ表から、赤枠で示した「5号ワイヤー」を取り上げてみましょう。
そこには、AA85・A80・B75・C70・D65・E60という、
アンダーもカップも異なる6つのサイズが割り当てられています。
ここで、もっと分かりやすくするために、
この中で最も小さいサイズと最も大きいサイズの**“人体のイメージ”**を比較してみましょう。

ご覧の通り、
これだけ体型の違うふたりの女性に、同じワイヤーが使われているのが、
現在のワイヤーブラの設計の実態です。
ワイヤーとは、鉄材です。
固くて、変形しにくく、しっかりとした“骨格”の役割を果たします。
でもその一方で——
「刺さる感覚」「フィットしない違和感」
そうした着用時のストレスの正体は、もしかしたらワイヤーの素材そのものではなく、
ワイヤーを“どう設計し、どう使うか”という構造そのものに原因があったのかもしれません。
私たちMilkomedaでは、ここにもうひとつの構造的思想を取り入れました。
それが——
「各サイズごとに、最適なワイヤー形状を設計し直すこと」
既存の設計では、ひとつのワイヤー形状が複数のサイズに転用されてきました。
その前提を、私たちは根本から見直しました。
Milkomedaブラジャーでは、サイズごとに異なるワイヤー形状を採用しています。
「マルチワイヤーシステム(Multi Wire System)」と名付けました。

そして、それを支えるのが、前述の特許構造です。
このふたつの構造が重なり合うことで、
今まで誰も実現できなかった「着け心地」と「違和感のなさ」を、ようやく形にすることができました。
それが、私たちが“構造”にこだわり続けてきた理由です。
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